2012年06月22日

東湖八坂神社祭の統人行事



前回アップした「なまはげ」と同様、国の重要無形民俗文化財の指定を受けている東湖八坂神社祭の統人行事の模様をYouTubeにアップしました。
その起源は平安時代後期といわれ、「ヤマタノオロチ」の神話と、八郎潟周辺の農漁民の間に伝わる水神信仰とが習合した千余年の歴史を有する祭礼です。

susanou.jpg

黒い牛にまたがり、警護人たちに支えられながらゆらゆらと町をねり歩く異形の男は、スサノオノミコトとしての神格を得た「牛乗り人」。『東湖八坂神社祭の統人行事』(1990年・旧天王町発行)には、
「酒部屋で牛乗り儀式を終えて神がかり(人事不省)となった牛乗り人を牛曳き人が抱きかかえて神牛に乗せ…」
とあります。たしかに、全身の力が抜けている感じで、まともに意識がないようにも見えるのですが、いくら神事とはいえ、そんなに都合よく短時間で神がかり状態になれるものでしょうか。平安時代ならともかく、やたらとノイズの多いこの現代では、ちょっと眉唾ものという気もします。でも、かなり長時間近くで観察していたのですが、あの脱力感は、ただの演技という感じでもありませんでした。とすると、酒部屋で牛乗り人が口にするという御神酒(おみき)に、何か秘密があるのでしょうか?

詮索はこのくらいにして、このスサノオノミコト、最初に見た瞬間から誰かに似ていると思っていたのですが、何と「宇宙刑事シャリバン」(1983〜84年)に出てきたレイダー(演:安藤三男)にそっくりなのでした。レイダーの不気味な容姿と存在感は、当時の子どもたちに恐怖心を植え付け、そのため一時的な視聴率の低下まで招いたそうですが、こちらのスサノオも、町内のお子様方にはかなり怖がられていました(「気持ち悪い〜」などという声も入っています)。

reider1983.jpg 安藤三男演じるレイダー。声も怖い

なお、上の動画は昨年の7月7日に撮影したもので、あと2週間後には、今年の統人行事が粛々と行われるはずです。動画を見てご興味の湧いた方は、是非、秋田県男鹿市と潟上市の船越水道までお運び下さい。

男鹿市の紹介ページ
潟上市の紹介ページ
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2012年06月09日

秋田のなまはげ



先週アップした「仏師の仕事場」の動画がわりと好評だったようなので、同じ伝統文化関連ということで、昨年7月に撮影したまま放置してあった「秋田のなまはげ」の動画をアップします。

古来から秋田県男鹿半島で行われてきた大晦日の「ナマハゲ行事」は、仏教が伝来する以前の、日本固有の「信仰のかたち」を今に伝える貴重なもので、1978年に国の重要無形民俗文化財にも指定されています。

今回の映像は、男鹿真山伝承館で催されている「ナマハゲ行事」の実演を撮影したものです。平日ということもあり、ほぼ貸切り状態でしたが、突然荒々しく登場し、異様なうなり声とともに室内を闊歩するナマハゲはかなりの迫力で、そのあたりの場面はカメラがかなり揺れています(私がビビリ症のため)。

なお、一般によく知られる観光用のナマハゲ(下写真)は鬼のような形相で角も生えていますが、この動画に出てくる真山地区のナマハゲには角はありません。解説によると、「神様の使いであるから」とのことです。

namahage.jpg

ちなみに、前回と今回の動画は、民生機のビデオカメラで撮影したハイビジョン素材を、カメラから直接YouTubeにアップロードし、YouTube内の「動画エディタ」というフリーソフトで編集して仕上げました。ネットにつながった状態でないと編集できないというのはかなり不安で、また、一度仕上げた動画の作成データ(タイムライン)が残らないのも難点ですが、カット編集がメインで多少の効果を入れるくらいならこれで充分です。実は私の自宅PCは、約10年前のWindowsXPで、とても最近の重たいハイビジョン動画は処理できないため、しばらくの間、YouTube用の動画は、この方法で編集をすることになりそうです。
posted by taku at 14:06| 動画紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月01日

仏師の仕事場



先週木曜(5/24)、以前にも何度か仕事場を見学させてもらった千葉市緑区の長南文化財修復室へ。その名のとおり、古い仏像の修復が仕事の中心だが、代表である河本雅史氏はもともと芸大出身の彫刻家であるため、新しい仏像の制作も精力的に行っている。今はまさにその真っ最中だった。

だだっ広い作業場に、彫刻刀が木を削るつややかな音だけが響く。そこに言葉はない。
1日が終わるころになっても、どこまで彫り進んだのか、午前中とどこが違うのか、素人眼には、実はほとんどわからない。
「足元に落ちた木の削り屑だけが、その日の仕事の証しです」
と河本さんは笑う。
その木屑も、制作当初は数時間で山になるくらいの量が出たそうだが、作業の進行とともに削り方も繊細になり、最近では1日かかっても、両手のひらにすっぽり収まる程度の量だ。
それでも、そのわずかな歩みが1日1日と積み重なるうち、いつか、二体の観音像がおごそかにその姿を顕していく。何とも不思議な作業の一端を見た気がした。

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posted by taku at 16:12| 動画紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする