2012年09月06日

メイキング・オブ「Hand Shadows ANIMARE」



前回のブログでも少しだけ触れましたが、現在「Hand Shadows ANIMARE」という劇団かかし座の創立60周年記念ツアーのバックステージを記録するドキュメンタリーを製作しています。動画をご覧いただければわかりますが、この作品はすべて手影絵によるパフォーマンスで、使うのは出演者4人の手と体だけ。それでいながら何十種類もの動物の形を作り出して物語まで演じてしまうという、まさに驚異の身体表現芸術なのです。
「その裏側は一体どうなっているのか?」「どんな人たちがそれを演じているのか?」
幼少期から手品の種や、「ウルトラマン」「仮面ライダー」などの特殊効果に抑え難い関心を寄せてきた私としては、のぞかずにはいられない世界でした。

上に挙げた特撮テレビ映画に誘発されて、8ミリカメラを回し始めたのが小学校3年のころ。あれからそろそろ40年になりますが、その間はもっぱらドラマ的なものばかり撮っており、純粋なドキュメンタリーを手がけるのは今回が初めてです(雇われで商業映画のメイキングを撮ったことはありますが、それは現場の撮影だけで、編集等はノータッチでした)。
まあ、ドキュメンタリーといっても、事前にきっちり構成が出来ていて、その通りに撮っていくという方法もあるようですが、今回は、若林一郎氏から手渡された「Hand Shadows ANIMARE」のフライヤーを見て強く魅かれるものがあり、その数日後には同劇団の後藤圭代表を訪ねて「作品として発表するかどうかわかりませんが、とにかくバックステージを撮らせて下さい」と直談判。そんな怪しげな申し出にも関わらず快諾をいただき、ゴールのまったく見えない状態でのスタートとなったのでした。

カメラを回し始めたのは7月の初め。半月弱の稽古期間を経て、7月18日に東京公演の幕が開くまで、ほぼ密着させていただきました。そこで私の役目はひとまず終了。その後、信州の山荘にこもって、10時間を超す撮影素材を繰り返し見た結果、「やはりこれだけ力のある映像をこのままにしておくのはもったいない」という結論に達し、3分弱の暫定版予告編(上の動画です)をプレゼン用に作って、改めてかかし座に赴いたのが一昨日(9月4日)のこと。そこで後藤代表や営業部の山下さん、そして出演者でもある舞台部デスクの飯田さんと意見交換をして、正式にドキュメンタリーとして完成させようという話がまとまったのです。

「Hand Shadows ANIMARE」はこのあと大阪や名古屋での公演も控えているので、その一部には私も参加させてもらうことにし、また、いくつかの追加撮影も決まりました。ドラマ作りとはまったくプロセスの違う今回の作品製作は、しかし、既存のドラマ作り以上に、今の自分には魅力的に感じられています。

以下は、作品の概要です。

メイキング・オブ「Hand Shadows ANIMARE」(仮題)

2012年に創立60年を迎えた影絵劇団かかし座の記念ツアー作品「Hand Shadows ANIMARE(ハンド・シャドウズ・アニマーレ)」の舞台裏に密着したドキュメンタリー。
数十種類の動物の姿を「手」の影絵だけで作り出す、大胆かつ繊細なパフォーマンスは、2009年の初演以来、ドイツ、オランダ、スペインなど多くの国際フェスティバルで大反響を巻き起こした。
「この手に、限界はない」を合言葉に、表現への飽くなき追求を続ける出演者と演出家。そんな彼らのバックステージや日常にカメラを向け、初の国内ツアーでの奮闘の日々を追う。と同時に、ごく普通の「手」が、まるで独立した生き物のように動き出す「神秘的な瞬間」を克明に描き出していく。
ツアーは現在も継続中で、作品は2013年完成予定。

出演:飯田周一 石井世紀 菊本香代 櫻本なつみ 後藤圭 (劇団かかし座)
構成・撮影・編集・監督:大嶋拓

※「ANIMARE(アニマーレ)」とは、ラテン語の「アニマ(霊魂、生命)」から派生した言葉で「生命を吹き込む、元気づける」という意味。「アニマル(生命を吹き込まれたもの=動物)」「アニメーション(動画)」「アニミズム(万物に霊魂が宿るという信仰)」なども同語源)

劇団かかし座ホームページ http://www.kakashiza.co.jp
posted by taku at 10:53| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする