2016年04月08日

祝!仮面ライダー生誕45周年(3)

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仮面ライダー生誕45周年を祝い、タクラマブログがお送りするお宝本シリーズ。第3回は、今はなき黒崎出版刊『仮面ライダー図鑑』(1972年1月20日発行)。「変身ブーム」華やかなりしころの一冊である。

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目次には一時期よく見た、怪人が電話をかけている特写。誰と何を話しているのか気になるところである。

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1月発行なので、レギュラー陣は40話以降のメンバーに。したがって山本リンダは掲載されず(藤兵衛の横で見切れているのが悲しい)。一方、この図鑑に登場するショッカー幹部はゾル大佐のみで死神博士のビジュアルはなし。

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カラーページは特写が中心で、怪人は登場時期別に分かれている。

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原作漫画の初回カラーページを転載。

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カメレオン男の背景イラストが岡本太郎っぽい。ロケで行く大阪万博を意識したか?

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ショッカー関連のページも多数。上記のように、子ども向けにしてはかなりエグい描写も(でも70年代は全体的にこんな感じでしたね)。

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カニバブラーとムカデラスが逆になっている。どちらも多足でパッと見は似てはいるが…

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ショッカーの火あぶりの刑。「最後まで抵抗したほりょも今では力を失い、グッタリ…」などと書かれているのだが、これは捕虜ではなく一文字隼人。当然このまま焼き殺されることはなく、戦いが始まる(32話より)。

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こちらは、初代幹部ゾル大佐の正体である狼男と、一文字ライダーとの格闘場面。このページを見て、「あれ、何かおかしい」と思われる方はいらっしゃらないだろうか。
白黒なので見過ごしてしまいがちだが、この写真の狼男は、明らかに全身青色の「実験用」であり、金色で隻眼の、あの狼男ではない。本編クライマックスにおいて、岩場で一文字ライダーと闘うのは、言うまでもなく金色の狼男である。にも関わらず、何故このようなスチールが掲載されているのか。なお、この図鑑の狼男のページにも、載っているのは実験用狼男のみであり、そこに「正体はゾル大佐の変身した姿」と説明が添えられている。これはどういうことなのだろう(下画像参照)。

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しかしながら、青色の狼男を「ゾル大佐の正体」と記しているのはこの図鑑だけではない。同じ時期の「テレビマガジン」でも、白煙の中から現れた狼男のカラー写真が、「ゾル大佐の正体」として堂々と紹介されているのだ。放送前のある時期に限っては、これこそが「公式」の設定だったのである。

何故このようなことになったのだろう。伝え聞くところでは、最初はゾル大佐の正体は、実験用と同じ着ぐるみの青色狼男であり、その着ぐるみで撮影も行われた。この図鑑や「テレビマガジン」に掲載されたのはその時の現場スチールというわけである(特写においてスモークなどの特殊効果をわざわざ使うとも考えにくい)。
しかし撮影の後で、「話の前半に登場した狼男と区別がつかない」という意見が出たため、急遽、金色の狼男を新しく作って再撮影に臨んだ、ということらしい。しかし、関連書籍などには、狼男の頭部が2体同時進行で製作されているエキスプロでのスチールが掲載されており、この件についてはいろいろと謎が残る。

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34怪人のすべて。「図鑑」というだけあって、1971年4〜12月に登場したすべての怪人を写真とイラストの双方で解説。ここからはモノクロページ。

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何と、蜂女がまさかのトップ。でも、写真は残念ながらCM撮影時の特写バージョン(ショッカーベルト着用。腰布は紛失?)。

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2番手は蜘蛛男。こちらも残念なショッカーベルト。イラストは石森プロが担当だが、

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たまに、石森章太郎オリジナルと思われるイラストが入る。

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まさに噴飯ものの「クロちゃんの探訪記」。
「どうせジャリ向けの本だから、この程度でいいだろう」という編集者のいい加減さがにじみ出ている。実際にロケ現場を「探訪」する気などはさらさらなかったのだろう。

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描かれたカメラの形がテレビ局のスタジオ仕様で、現実を思いきり無視している。「仮面ライダー」はフィルム制作のテレビ映画なのに…(この当時、生田スタジオを見学した経験があるだけに看過できない)

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1972年1月以降登場の新型怪人。ハエ男、カビビンガ、ナメクジラー、プラノドン。

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説明文を見ると、「死神博士」「デビル博士」と名称が混在している。この図鑑が入稿されたと思しき11月には、まだ設定がはっきりしていなかったのだろうか。

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巻末の見開き。山本リンダが写った唯一のページ(35話より)。

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最終ページ。カメストーンやトドギラーの姿もあるが、スノーマンやゴースターは掲載なし。実際の撮影順がよくわかる。

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右ページの撮影風景を拡大。これを見ると、実際にはどういうカメラで撮影しているか一目瞭然。「クロちゃんの探訪記」の編集者は、こういう写真もきちんと目を通していないのだろう。

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さて、これは以前から気になっていたことなのだが、この時代の特撮関連本をめくっていると、かなりの頻度で「裏焼き」写真に遭遇する。この図鑑もしかり。何しろ表紙写真(上画像)からして裏焼きである。

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正式な写真はこちら。

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また、先ほど紹介したこのページも、

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こちらが正しい向きである。

さて、どうしてこのような現象が起きてしまうのだろう。

この時代、というより、ほんの10年ちょっと前まで、印刷用のカラー写真は、ほとんどがリバーサル(ポジ)で撮られ、下画像のような状態で印刷に回されていた。

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だから、単純に現場のミスで左右を取り違えてしまったケースもあり得るが、多くの場合は恐らく、全体のバランスや顔の向きなどを考慮して、レイアウトの担当者が意図的に行っていたのだろう。実にふとどきな話である。表紙写真の場合、カニバブルラーの手のハサミが、本来とは逆になっているし、上の方のページにあったエイキングもムチのような手が反対である。

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当たり前のようにこう収まっているけれど、

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正解はこちら。

こうした、左右非対称の怪人の特徴を無視して画像をやたらと反転してしまうのは、オリジナルデザインの軽視に他ならないと思うのだが…(ショッカー怪人は基本的に左右対称デザインだから裏焼きが判明しにくい。左右非対称が売りのゲルショッカー怪人や、「デンジマン」のベーダー怪物なら、こうした裏焼きはすぐ発覚するだろう)。

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前々回紹介したこの写真も、戦闘員のホルスターが左右逆なことから裏焼きだったことが判明。正しくは下画像。

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ただ、こうした裏焼きは、怪獣や怪人に限ったことではなく、古くはビートルズやボブ・ディランのレコードジャケットなどでも行われていたそうだから、ある時期までは、印刷媒体の世界では暗黙の了解だったのかも知れない。

いやあ、こういうブログは疲れる! この間の「新案カード」の時も、撮影やスキャン、フォトショップでの画像処理、そして文章書きと2日以上かかっているし、今回も、ページのセレクトを含めると4日がかりだ。
やるべき事はたくさんあるのに、腰も肩甲骨もバリバリに痛いのに、その上、一文の得にもならないのに、何ていう馬鹿なことを!!!
と、自分で自分の行動が無性に腹立たしいのだが、一度作業を始めてしまうともう止められないのである。

3月15日放送の「NEWS23」のエンディングで、膳場貴子氏がドラクエ30周年について言及した際、
「子どものころに好きになったものというのは、大人になってもなかなか卒業できないもので、(今でも)どっぷりとはまっているんですが…」
と述べておられたが、まったく同じ心境である。人間は、子ども時代に心を奪われたものから、永遠に逃れられない定めなのだろう。

【次回予告】

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我らが仮面ライダー生誕45周年を祝う、タクラマブログが送った次なるお宝本は、今回に続き、黒崎出版刊『仮面ライダー画報』。ダブルライダーの登場、そして本郷ライダーの完全復帰と、放送開始1年にして絶頂期を迎えた「仮面ライダー」の魅力をあまさず紹介。地獄大使、死神博士の2大幹部、人気のザンジオーをはじめとする50怪人も全員集合する次回『仮面ライダー画報』にURLを合わせるのだ!(次回予告のナレーション風味で読んでね!)
posted by taku at 19:07| 特撮 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする