2017年08月28日

恐怖山荘(1) 白と黒の悪魔

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そろそろ夏も終わりだが、今年の夏、黒姫の山荘で私が体験した、血も凍る恐怖の体験談をお届けしたいと思う。心臓の弱い方、臆病な方は、くれぐれもこの先を読まないことをお勧めする(一応警告)。

それは7月下旬のある日のこと。新幹線と北しなの線を乗り継いで日没のころに黒姫着。朝と夕方しか運転しない路線バスに揺られ、1年ぶりの山荘にたどり着いた。簡単な荷物整理と夕食を済ませ、今夜は早く休もうと23時ごろに床を取り、ダイニングと寝室の間の引き戸を閉めようとしたその瞬間、惨劇は起きた。

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バラバラバラッ、と、突然何かが頭上から降ってきたのだ。床に落ちた白い粒と黒い粒…黒い粒は動いている。アリだ。そして白いのは卵。アリが、何と引き戸の上の隙間に巣を作っていたのだ。

アリのほうも寝込みを襲われた感じでパニクっており、慌てて卵をどこかに避難させようとしている。向かう先がわかっているわけもないのだが、とにかく卵を守ろうとする本能が彼らを闇雲に動かしているのだろう。こちらも、しばらくは呆然とその様子をながめていた。しかし、ファーブルならいざ知らず、深夜にいつまでもこんな「観察」などしていられない。

それにしても、どうしてわざわざ人の家の中に巣を作るのか! 山のアリだったら普通に土の中に巣を作ればいいじゃないか! すでにお休みモードだったのに、一気に覚醒してしまい、その怒りも手伝って、この不法侵入者には速やかにお引取りいただくことにした。本来殺生は嫌いだが、放置してはこちらの安眠や穏やかな生活が妨げられるのは確実なので、心を鬼にして殺虫剤の噴霧である。やがて数十の白と黒の粒は動かなくなった。それらの躯(むくろ)は、掃除機に吸わせるのも気が進まなかったので、薄いビニールの袋(スーパーの品物を詰めるところに設置されているペラペラのやつ)にまとめて入れて捨てることにした。その際、アリの卵なるものに初めて触ってみたのだが、ぷにぷにして少し湿り気のある、いかにも生命の根源という感じの物質であった。この卵ひとつから、果たしてどれくらいの数のアリが生まれてくるのだろう?(注:後日ネットで調べたところ、基本的に卵ひとつからアリ1匹のようだ。それにしてはでかいなと感じるのは私だけ?)

その夜はそれで終わったが、翌朝、その引き戸を開閉するとまたバラバラバラッと白黒の粒が落ちてくるという前夜の状況がそっくりそのまま再現され、頭を抱えてしまった。これはもう「元から絶たなきゃダメ!」と一念発起し、お世辞にも立て付けのいいとは言えない引き戸をどうにかはずして、その上をじっくり見てみた。

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まあこんな状態で、まだかなりのアリと卵が存在している。今回の不法侵入に対しては、一網打尽で臨むという方針をすでに決定しているので、もはや躊躇することなく、前夜と同じ方法で、数十分後、ついに駆除は完了した。

この山荘でももうずいぶん寝泊りしているが、こんな経験は初めてである。木を食べる白アリならいざ知らず、どうして普通のアリが家の中に巣を作るに至ったかは大いなる謎である。また、アリのコミュニティには女王アリがいるはずだが、今回その女王を発見することはできなかった。もしや、女王は密かに逃げ延び、捲土重来を計っているのではないか。だとすると、私もまだまだ枕を高くして眠れないわけだが…。

最近ちまたでは、外来種であるヒアリの脅威が問題となっているようだが、見慣れた在来種のアリも、時として思いがけない脅威をもたらすことがあるのだ(このシリーズ、あと2回続きます)。
posted by taku at 18:55| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする