2017年08月30日

恐怖山荘(3) 闇を引き裂く怪しい物音

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アリ騒動、蚊の襲撃ときて、もはや生き物の脅威について書くこともないと思っていたが、ところがどっこい、2度あることは3度ある、台風5号が本州を縦断した次の日の晩、事件は起こった。

山荘のある信濃町というところは、台風が来ていても来ていなくても、どういうわけか夜の間に雨が降ることが多く、その晩もかなり勢いのある雨音が響いていた。そんな中、1時くらいに床に就いたのだが、ひと眠りして目を覚ますと、カサカサッ、カサカサッ、と隣のダイニングからなにやら物音がする(その物音で目が覚めたという方が正確かもしれない)。それは虫の羽音などではない、もっと生活感のある、人間に近い存在が発する音のように聞こえた。まさか、この山荘に侵入者が?(いやあ、これって結構怖いですよ。大声で助けを求めても誰か来てくれるような場所でもないし…)。
とにかく、その物音の主を確かめるべく、そっと、かつてはアリの巣だった引き戸を開け、ダイニングに向かったところ、物音は冷蔵庫とシンクの間に置かれた、高さ30センチ、直径24センチほどのブルーのくずかごから聞こえてきていた。

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この中で何物かがうごめいている。まずは人間ではなくてよかった、と胸をなで下ろしたが、では何か? 暗がりでちらっと姿を見る限り、ネズミのようだ。ゴミをあさっているようにも見えたが、実際にはくずかごにはゴミはほとんど入っていない。とすると、案外深いかごなので、入ったはいいが、自力では脱出できなくなり、それでもがいているのかも知れない。さて、この闖入者をどうしたものかと思いつつ、時計を見ると4時半。春風社の三浦衛社長なら起床時間かもしれないが(こちらを参照)、自分の感覚ではまだ真夜中である。ネズミの捕獲や観察などを本格的にやり始めては、貴重な睡眠時間が台無しである。というわけで、相手がくずかごの底でごそごそやっているその隙に、大きな段ボール箱で蓋をして、くずかごごと別室に移動した。これで敵は生け捕りの状態。朝になったらゆっくりとその姿を拝ませていただこう。

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そして9時。ついにご開帳である。おそるおそる段ボールの箱を取り去ると、そこにいたのは…

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やはりネズミでした。つぶらな瞳がなんとも可愛い。

先ほども書いたように、このくずかごにはほとんど何も入っていなかったのだが、どうやらヤツは、くずかごの上の方にぶら下げてある生ごみ系の袋から、フライパンの油を拭いたティッシュを引っ張りだし、それと一緒にくずかごに落下、そのままひと晩を過ごしたらしい(下画像参照)。

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「かなり深さがあるので、このかごからは出られないだろう」と、たかをくくって動画撮影を始めた時、事件は起きた!(下動画をご覧ください)



まさかの逃走である。一瞬の隙をつかれたというか何というか。一度逃がしてしまうと、人間がすばしっこいネズミを捕まえられるはずもなく。ヤツは冷蔵庫の裏に姿を隠し、その数分後、反対側の戸棚の影に移動したが、いつの間にかその戸棚の影からも姿を消し、それ以降は行方不明である。動画を見ていただくとわかるのだが、33秒あたりでヤツが窓に向かってダッシュする様子が映っている。だが、残念なことにそこは網戸になっていたのでヤツは外に出られず、室内を彷徨することになってしまったのだが、もし網戸でなく、普通に窓が開いていれば、今ごろは外に出ていたはずで、私も厄介ばらいができたということになるのだが…。

それにしても、ヤツはどこから来たのだろう。私の知らないうちに、この山荘に住み着いていたのか、それとも、どこかに抜け穴があって、自由に外との出入りを繰り返しているのか…。だとしたら、仮に外に放り出したとしても、また容易に侵入し、イタチごっこならぬネズミごっこがえんえん繰り返されるということになるのだろう。まあ、都心の住宅の屋根裏にもハクビシンが棲みつくくらいだし(私の実家にも数年間ハクビシンが棲んでいたが、東日本大震災を境に姿を消し、屋根裏には大量の糞だけが残された)、年代物の木造住宅には、小動物が出入りする穴などは無数に開いていると思っていた方がいいのかもしれない。

「この地球にいるのはわれわれだけではない。知らないうちに、異星人が侵入しているのだ」
とは特撮ドラマなどでさんざん言われていることだが、こんな僻地の山荘でも、
「この山荘にいるのはわれわれだけではない。知らないうちに、異生物が侵入しているのだ」
とつぶやかなければならないとは、なんとも難儀なことである。
posted by taku at 16:03| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする