2017年12月22日

パーマン放送開始50年(1)

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昨年(2016年)来、「ウルトラマン」については、放送開始50年ということで、当ブログでも何度か取り上げてきたが、実は、今年(2017年)は、60年代のもうひとりのスーパーヒーロー、「パーマン」の放送開始50年でもある。というわけで、何とか今年のうちにと思って書き始めたのだが(遅いよ)、「パーマン」については、漫画版とアニメ版が新旧それぞれ2つあるため、名称や設定の変更など気になる点、書きたいネタが頭の中に山積しており、とても1回ではまとまりそうにない(いつものこと)。というわけで、何回かにわけて、思いつくままに記していきたいと思う。

まず、50周年についてだが、私は当初、この記事のタイトルを、「パーマン生誕50年」としていた。しかし、ネットで検索してみると、公式的には、昨年(2016年)がパーマン生誕50年のメモリアル・イヤーということらしい。ショック! これは、『小学三年生』『小学四年生』での連載が1966年の12月に始まったからで、それに合わせて、てんとう虫コミックスでは昨年6月に全7巻の新装版も発売されている。

□『パーマン』新装版 全7巻|小学館

上の事実を知ったのが今から15分前。手元にあった「藤子・F・不二雄大全集」の『パーマン』3、4巻巻末でも確認したので間違いない。…何かね、一気に書く気が萎えてしまいましたよ。すっかり時流に取り残されていたということを知って…。もう、書くのはやめた方がいいのだろうか。

いやしかし! メインの掲載誌というべき『週刊少年サンデー』での連載は1967年の2号からだし、白黒版アニメは4月2日にスタート。当時の私はアニメでパーマンを知ったクチだから、少なくとも私の中では、そして多くの当時の少年少女にとっても、今年がパーマンと出会って50年で間違いないのだ!と考え直し、タイトルも、絶対に誤りでない「パーマン放送開始50年」と改め、書き進める所存である。

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こちらが連載開始号である『週刊少年サンデー』1967年2号。表紙は白土三平の「カムイ外伝」。

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よく見ると、パーマンのデザインが『小学三年生』『小学四年生』だけに登場した初期バージョンである。

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背表紙も同じく初期バージョン。表紙の印刷は本文より早く、その時点では新デザインは未完成だったということだろうか?

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カラー扉はおなじみのパーマン。ちなみに、この号に掲載された「パーマン誕生」は、最初に単行本化された際(虫コミックス・1970年)、かなり加筆修正されており、その後、再アニメ化にともなう設定変更などもあって、現在出回っているものとはかなり違っている。「パーマン」のマスクとマントを与えるのは「スーパーマン」。

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2009年の「藤子・F・不二雄大全集」では、1983年以来「バードマン」だった名称が「スーパーマン」に戻ったが、2016年のてんとう虫コミックス新装版ではまた「バードマン」に逆戻りしている。このあたりはそろそろ統一して欲しいところなのだが…(名称や設定変更の問題については、かなり長くなりそうなので次回以降に)。

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こちらは『週刊少年サンデー』1967年16号。

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同誌に連載中の「パーマン」「キャプテンウルトラ」「仮面の忍者赤影」「冒険ガボテン島」の4作品が4月から放送開始となるため、その宣伝記事が掲載されている。

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スーパーマンの紹介に、「パーマンの親分」と書かれているのが何だがおかしい。

さて、1967年4月といえば、「ウルトラマン」が最終回を迎えた月である。当時、「ウルトラマン」は日曜7時TBSの「タケダアワー」枠、「パーマン」は同じ日曜7時半TBSの「不二家の時間」枠。そのころの多くの子どもたちが、その2枠をワンセットで見ていた。
4月2日は「ウルトラマン」が最終回ひとつ前の38話「宇宙船救助命令」で、その直後に記念すべき「パーマン」第1回(「パーマン誕生の巻」「ロボット・ママの巻」)が放送されたわけである。そして翌週、4月9日は「ウルトラマン」があの最終回「さらばウルトラマン」、「パーマン」は第2回(「マル秘パーマン2号の巻」「そうなん救助の巻」)。その翌週から「タケダアワー」枠では東映製作の「キャプテンウルトラ」が始まるので、ウルトラマンとパーマンが連続放送されたのは、わずか2週だったということになる。

以上は記録に基づく客観的事実だが、私のぼんやりとした記憶の中では、「ウルトラマン」は「パーマン」よりもだいぶ前の作品として位置づけられており、だから、わずか2週とはいえ、重なっていた時期があったのは少し意外だった。これは、ちょうどこの時期に実家の引っ越しが行われたことが関係していると思う。すでにいろいろなところで書いたが、実家が読売ランドから現在の生田に越したのが、ちょうど「ウルトラマン」が最終回を迎えた4月9日だった。それゆえ、「ウルトラマン」といえば前の実家で見た番組(=古い)、「パーマン」は現在の実家で見た番組(=新しい)、という記憶の区分けが為されたのであろう。「ウルトラマン」はその後、再三再放送やビデオなどで見返しているので、おのおののエピソードは頭にインプットされているが、リアルタイムで視聴していた記憶は大変薄いのである。

それに対し、現在の実家に移ってからの特撮やアニメは、どれも、きちんと視聴した記憶が残っている(まあ、だいたい4歳ごろから記憶は鮮明になるものだが)。「パーマン」もその例に漏れず、毎週家族で楽しみに見ていた覚えがある(「キャプテンウルトラ」より熱心に見ていた気がする)。特に印象深いのは最終回で、それまでのライトなコメディ路線はどこへやら、えらく深刻でしんみりした雰囲気だったのが忘れられない。物語はよくわからなかったが、パーマンが屋根の上でスーパーマンに何かを諭され(当時は責められているように思った)、やがてパーマンは口を結んだまま(笑顔は一切なく)空に飛び立つ。その姿がえんえん写り、結局どこまで何をしに行ったのか見せないままで終わる、という突き放したようなラストが何とも淋しく、それゆえ長年記憶にとどまっていた(下画像は、その白黒版アニメの最終回「パーマンよいつまでも」の原作にあたる「パーマンはつらいよ」。無償の善意と承認欲求との間で葛藤する人間の姿を見事に描いた傑作。今読み直しても深く考えさせられるが、未就学児童には難しかったようだ)。

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とにかく、4歳児の私は、当時かなり「パーマン」を気に入り、しっかり毎週見ていたのはたしかである。しかし「ウルトラマン」が、怪獣という強力アイテムを持っていたのに対し、「パーマン」にはそういったものがなく、また、再放送の機会も少なかったため、数年も経たず、私の中で「パーマン」は過去の番組となっていった。1983年にアニメがリメイクされた時も、まったく食指が動くことはなく、500回以上放送されたのに、見事に1回も見ていない。興味が再燃したのは割と最近のことで、2009年に刊行された「藤子・F・不二雄大全集」の『パーマン』を懐かしさ半分で手に取ってからである。
一読して大きくうなった。私はそれまで「21エモン」がF作品の中での一番のお気に入りだったのだが、その認識を改めなくてはならないと思った。「パーマン」は、学校や家庭といった日常的な場に「SF(=スコシ・フシギ)要素」(F先生が好んだ表現)が加わったことで笑いが生まれる「ほのぼのギャグマンガ」であると同時に、そのSF要素を駆使して、悪人と対決したり人命救助を行ったりという非日常的な冒険アクションが展開する「ヒーローマンガ」でもある。このふたつが無理なくスマートに融合され、この作品でしか味わえない爽快感を生み出しているのだ。みつ夫をはじめとする各パーマンのキャラクターは実に魅力的で、設定やアイテムも気が利いている(特にコピーロボットの使い方が秀逸)。ストーリーはバリエーション豊富かつスピーディーで、大いに笑い、何度か泣かされた。「これほどクオリティの高い一話完結作品を週一以上のペースで書いていたとは…」と、F先生の稀有な才能に、改めて敬意を表した次第である。
そして、2014年に長年幻とされてきた白黒版アニメのDVDが発売されたことで、47年ぶりで動画のパーマンとも再会を果たし、長年気になっていた最終回も確認することができ、やっと「パーマン」について少し語れるようになってきたという感じだ。

モノクロ版TVアニメ『パーマン』DVD BOX 上・下巻


全然本筋に入らなかったが、今回は一応ここまでにしたい。しかし、せっかくなのでお宝(?)画像をひとつ紹介しておこう。

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こちらの写真は4歳の私である。1967年の夏に実家の庭で撮影されたもので、注目すべきはTシャツ。

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不二家の「ハイカップ」(カルピスそっくりの乳酸飲料)の王冠を送って当たった景品である。

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背面はこんな感じ(ちゃんと写真を撮ってあるのがすごいと思う)。

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『週刊少年サンデー』に掲載の「ハイカップ」広告ページ。

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抽選で毎月20,000名に当たるとのこと。ずいぶん太っ腹である。

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デザインは2パターンあったようだ(何とレナウン特製!)。今でも残っていれば結構なお宝だと思うのだが…。
posted by taku at 20:33| 漫画・アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする