
8月10日、加藤茂雄さんの追悼上映会が鎌倉市川喜多映画記念館で始まりました。


館内には加藤さんがこれまで出演した映画台本の切り抜き帳やスチール写真、『浜の記憶』の台本に絵本『茂さん』など、思い出の品が多数展示されています。
チケット完売となった10日の『浜の記憶』上映後には、宮崎勇希さんと私(大嶋)の舞台挨拶も行われ、加藤さんを偲びました。時節柄、フェイスシールドを着用しての挨拶となったのですが、慣れていないせいか、マイクが何度もシールドに当たってしまい、いささか難儀しました。

最終日の16日(日)は、14時からの『浜の記憶』上映後に、宮崎勇希さんと渡辺梓さん、そして私(大嶋)による舞台挨拶を予定しています。作品を彩ったヒロイン役と娘役に、ありし日の加藤さんの面影や撮影エピソードなどを語っていただこうと思っています。ご来場をお待ちしております。

さて、ここからは余談ですが、『浜の記憶』に出演しているキャスト御三方は、いずれも特撮作品に縁があります。
加藤茂雄さんについては、『ゴジラ』第1作に始まり、数々の東宝怪獣映画に顔を出し、またウルトラシリーズにも多数出演されているのは周知の事実。「ウルトラセブン」の第1話で、初めて人類の前に姿を見せたウルトラセブンを指差して、
「あれは何ですか? 何ですかあれは?」
と叫ぶ神奈川県警のお巡りさん役は特に有名です。

↑キリヤマ隊長の隣り、左から3人目が加藤さん。

↓ちなみに「ウルトラQ」第3話と「ウルトラマン」第6話にもお巡りさん役で出演しています。


渡辺梓さんは、言わずと知れた「魔法戦隊マジレンジャー」の小津深雪(マジマザー)役。5兄弟戦士の母親で、常に子どもたちに愛と勇気を与え、物語の序盤や終盤では自らも戦線に赴きました。当時渡辺さんはまだ35〜36歳でしたが、成人を含む5人の母親を、実に自然に、優しさと凛々しさと美しさをもって演じられていたと思います。でもこの当時より、15年経った現在の方が、むしろ若々しく見えたりするから不思議なものです。



↓最終回では家族8人で変身し、ラスボスを打ち倒しました(右端がマジマザー)。

そして宮崎勇希さん。彼女はオーディションで選ばれた新人ではありますが、しばらく前に別名義で活動していた時期があり、そのころ、「宇宙刑事シリーズ」のギャバンとシャリバン役の方が特別出演していて、なおかつ著名な漫画家さんが多数ゲスト出演している、『龍帝』という映画で銀幕デビューを果たしているのです。クライマックス間近のシーンで彼女は、ジャッキー・チェンやドニー・イェンとも共演歴のある北岡龍貴氏と戦い、ハイキックの連打でついに勝利するという、見てびっくりのアクションシーンを披露しています。とにかく足の上げ方と動きのキレが凄いです。彼女には是非武闘派俳優としてもがんばって欲しいと思います。





共演した北岡龍貴さんは、昨年の新宿ケイズシネマでの公開に駆けつけてくれました。

『浜の記憶』の終盤、渡辺さんと宮崎さんは加藤さんを巡ってかなり激しい口論を繰り広げるのですが、魔法と武闘のガチバトルで見てみたかった気もします(特撮愛好家目線での話です)。

そんなわけで16日は、「マジマザー」渡辺梓さん、「ハイキック」宮崎勇希さんが舞台挨拶にいらっしゃる予定です。当日のお話はあくまで加藤さんと『浜の記憶』が中心ですが、上記のエピソードを頭の片隅に留めつつトークを聴くのも、また興味深いのではないでしょうか。