2021年06月14日

加藤茂雄さん一周忌 『浜の記憶』期間限定無料配信

20200618.jpg

本日、6月14日は、俳優・加藤茂雄さんのご命日です。亡くなられて、丸1年が過ぎました。月日の経つのは本当に早いものです。

一周忌に際し、加藤さんが93歳で初主演した映画『浜の記憶』を、東宝撮影所がある「ゆかりの地」世田谷で上映するイベントを企画していたのですが、時節柄実現に至らず、その代案として、同作品を明日(15日)から、期間限定で無料配信することにしました。2019年7月の公開初日の舞台挨拶の模様も合わせて配信します。

※配信は8月31日で終了しました。

【期間限定配信】映画『浜の記憶』
202106web.jpg

【期間限定配信】『浜の記憶』初日舞台挨拶
202106web2.jpg

視聴の詳細についてはこちらのページをご覧ください。

コロナ禍からすでに1年以上が過ぎ、猫も杓子もオンラインという世の中ですが、自分の作品については、あまりそういう発想はありませんでした。しかし、今月初めから『影たちの祭り』がNIPPON CONNECTION(ニッポン・コネクション)で配信される運びとなり、そうか、そういう手もあったか、と、今さらのように気がついた次第です(ある物事が行われているのを知識としては知っていても、それを自分のこととして考えられないというケースは案外多いものです)。

『浜の記憶』はすでに出来上がっている作品なので、データを配信用に軽くするだけですみましたが、舞台挨拶の記録映像の編集は思った以上に時間と手間がかかりました。初日の舞台挨拶は、加藤さんのトークが弾みすぎて30分以上に及んだのですが、ノーカットではいくらなんでも長すぎます。しかし、加藤さんの話はよどみなく続くので、なかなか切りどころが見つかりません。おかげで、何度も何度もトークを聞き直すことになり、久しぶりに加藤さんのあの懐かしい語りに長時間耳を預けることになりました。また、撮影した動画は劇場の後方に設置した固定カメラのものなので、映像にまったく変化がありません。そこで、当日、助監督の内田さんと特撮ライターの友井さんが撮影してくれたスチールを適宜、インサートすることにしました。トークの動画にスチールを入れ込むという編集も、私はこれが初めての経験で、なかなか面白いものでしたが、写真の点数がかなり多く、そのセレクトにも思った以上の時間を要しました。当然、それらの写真はほぼすべて加藤さんがメインで映っているので、この数日間は、実によく加藤さんのお声を拝聴し、同時に、そのお顔をじっくりと拝見しました。これもまた、故人をしのぶ営みのひとつなのでしょう。

※配信は8月31日で終了しました。
posted by taku at 20:50| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月02日

加藤茂雄さんの面影

6月に入りました。早いもので、俳優の加藤茂雄さんが94歳で亡くなって、間もなく1年になろうとしています(6月14日がご命日)。

現在、NHK BSプレミアムでは『ウルトラQ』(1966年)と『ウルトラセブン』(1967〜8年)の4Kリマスター版が放送されています。日本を代表する特撮ドラマといわれるこの両作品には、どちらも2回、加藤さんが出演しています。

ultra7_01.jpg

すでに放送が終わってしまいましたが、『ウルトラQ』では第3話と第8話、『ウルトラセブン』では第1話と第5話で、当時40代だった加藤さんの面影をしのぶことができます。

ultraQ_03.jpg 『ウルトラQ』第3話

ultraQ_08.jpg 『ウルトラQ』第8話

放送からすでに50年を過ぎているというのに、映像技術の進化のおかげで、眼前にあるかのような鮮明な映像で、若い時の加藤さんと再会することができるのは幸せです。

ultra7_01_01.jpg 『ウルトラセブン』第1話

ultra7_05.jpg 『ウルトラセブン』第5話
posted by taku at 20:44| 特撮 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月01日

『影たちの祭り』、NIPPON CONNECTIONにて無料配信

kagetachi_m01.jpg

本日、6月1日、NIPPON CONNECTION(ニッポン・コネクション)が開幕しました。NIPPON CONNECTIONはドイツのフランクフルト市で毎年初夏に開催されており、海外で行われる日本の映画祭としては最大規模のものです。2021年は新型コロナの影響もあり、6月1日から6日までオンラインで行われます。

kagetachi_m02.jpg

そのNIPPON CONNECTIONにおいて、劇団かかし座のパフォーマンス「Hand Shadows ANIMARE」(全編英語)と影絵ワークショップ(日独語通訳付き)のライブ配信が行われることになり、そのつながりで、「Hand Shadows ANIMARE」の舞台裏を描いたドキュメンタリー映画である『影たちの祭り』(ドイツ語字幕版)も、合わせて配信されることになりました(6月24日まで)。

詳細はこちらのページをご覧ください。視聴ページはドイツ語表記なのでちょっと面倒くさいですが、メールアドレスとお名前、そしてパスワードを2回入力すれば、全編無料で視聴できます。

『凍える鏡』はこれまでGyao! などで何度か無料配信してきましたが、『影たちの祭り』の配信は完全にこれが初めて。しかも、なかなかお目にかかれないドイツ語字幕つき。見初めは字幕が少し邪魔なようにも思いますが、慣れてくると、いかにも「映画祭での上映」という感じがしてきます。
思い起こせば今から26年前、私の初めての劇場用映画『カナカナ』も、ドイツのベルリン国際映画祭においてドイツ語字幕で上映されました。あのころからドイツは日本映画に対する理解が深い国だと感じていましたが、いつの間にかこんな大規模な日本映画のフェスティバルが開催されるようになっていたのです。ちなみにドイツ語字幕での上映はその時以来なので、何だか初心に返ったような気分です。

kanakana1995.jpg
ベルリン国際映画祭1995のパンフレット

『カナカナ』でデビューして、すでに26年というのもわれながら驚きますが、この『影たちの祭り』も、2012年の作品ですから、来年で撮影してから10年を数えることになります。月日の経つのは本当に早いものです。しかし嬉しいことに、移り変わりが激しい昨今の情勢にも関わらず、かかし座のメンバーは相変わらず倦まずたゆまず、われわれを楽しい気分にさせてくれるパフォーマンスを送り続けてくれています。「Hand Shadows ANIMARE」を2012年に演じた時のメンバー4人(飯田周一、石井世紀、菊本香代、櫻本なつみ)は全員、今もかかし座に在籍しており、6/5のライブ配信も、最初はこのメンバーで、と、リーダーの飯田さんは考えていたようなのですが、他の公演との兼ね合いで、今回は石井さんの代わりに、松本侑子さんが入ることになったそうです。

kagejo.jpg

そうそう、現在かかし座では、「影絵女子」という4人の女性ユニット(かよっぺ=菊本香代、さく=櫻本なつみ、ゆーゆ=松本侑子、ちっぴ=梅原千尋)を結成して、かなり意欲的に活動しているのですが、そのうち菊本さんと櫻本さんは、「Hand Shadows ANIMARE」の2012年当時のメンバーでもあるので、『影たちの祭り』には9年前の、今より少しだけ若い「影絵女子」おふたりの姿が記録されています。

kagetachi_m03.jpg

でも、これがびっくりするくらい変わっていない……。いやもちろん、それだけの時間が経っているので、パフォーマンスの方は目覚しい上達を遂げているのですが、屈託のない笑顔と初々しさはまったく失われていません。これは、長年劇団を応援している者としては大変嬉しく感じるところです。

菊本さんと櫻本さんといえば、今でも忘れられないエピソードがあります。『影たちの祭り』は、基本的に影絵のパフォーマンスを記録したドキュメンタリーなので、場面のほとんどは稽古場、しかも大変暗いのです。スクリーンに映った影はとても美しいのですが、対照的に、バックステージは常に光が足りない状態で、「このままだと、いささか彩りに欠けた映画になってしまうのでは?」と撮影中感じるようになりました。

kagetachi_m04.jpg

そんな時、櫻本さんが「動物のリアルな動きを観察するために、ときどき動物園に行きます」と話していたのを聞いて、「よし、それなら」と、菊本さんと櫻本さんが野毛山動物園を訪ね、キリンや亀、白鳥、ペンギンたちの前で、その姿を作ってみる、いわば動物たちとコラボするシーンを入れたのです。結果としてこれは大変いいアクセントになりました。おふたりの表情も生き生きしていて、今でも大好きな場面です。

kagetachi_m05.jpg

なお、映画の中では、これは「休日のひとコマ」ということになっていますが、実際にはこの撮影が正午すぎに終わると、おふたりはすぐ、待機していたほかの劇団員と合流し、地方公演に出発したのでした。今も昔も、かかし座メンバーは大忙しです。

nogeyama.jpg

もちろんそれ以外にも、東京公演初日の前日に新しい演目を急遽作りあげるプロセスや、後半、少しだけ明らかになる個々のメンバーのプライベートライフなど、90分弱という尺の割には、いろいろと見所の多い作品だと自負しています。影絵の魅力に取り付かれ、影絵とともに生きる彼ら彼女たちのひたむきな姿と、その比類なき作品を、是非この機会に、映画と、そしてライブ配信の双方で、ご高覧いただければと思います。

kagetachi_m06.jpg

映画とライブ配信の両方に出演のお三方(左から 櫻本なつみ、菊本香代、飯田周一)。どうぞお楽しみに!

◇ライブ配信パフォーマンス『 Hand Shadows ANIMARE 』
6月5日(土)21:00〜22:15(JST 日本時間) ※配信終了
◇オンライン・ハンドシャドウ・ワークショップ
6月5日(土)23:00〜24:00(JST 日本時間) ※配信終了
◇ドキュメンタリー映画『影たちの祭り』(ドイツ語字幕版)(無料)
6月1日(火)〜6月24日(木) ※配信終了