2014年07月09日

解かれた封印

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来月から年末にかけ、実家の全面改築を行うことになりました。2階は表具や畳の取替えと屋根の葺き替えだけですが、1階は少し増築して間取りもすべて変えることになり、そうなると当然、押入れの中の物なんかも全部一回外に出さなくてはなりません。ずいぶん面倒なことになったと思いつつ、数日前から実家に日参して、荷物を段ボール箱に移す作業を進めています。

ちなみに私の実家は、1967年(私が4歳の時)に亡父が購入したもので、今年で築47年。私自身は20代の後半に一応独立し、東京・神奈川近郊を転々として今に至りますが、幼少期から20代なかばまでの「所有物」はほぼすべて、実家1階の閉め切った押入れの中で、何十年という永い眠りについていました。

それが今回の改築のため、封印はもろくも解かれ、眠りを脅かされた「彼ら」は、うず高く積み重なった埃を巻き上げつつ、次々にその姿を現したのです。

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この押入れから、出るわ出るわ…

ウルトラマンの「ミイラの叫び」や「悪魔はふたたび」では、大昔の遺物を現代の人間が掘り返してその眠りを覚ました(封印を解いた)結果、「ミイラの叫び」ではドドンゴが、「悪魔はふたたび」ではアボラスとバニラが現れて町はパニックになります。これらの作品は「昔からのものはそのままそっとしておいた方がいい」という教訓話のようにも受け取れるのですが、私も、そっとしておいた方がよかった昔のものをほじくり返した結果、眠っていた特撮魂が蘇ってしまい、ここ数日、どうにも落ち着かない、もっというなら「物狂おしい」精神状態に陥っています。

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ちなみにテレビでは「3億5000年前」です

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2点とも現代コミクス「ウルトラマン」第11話より。漫画は井上英沖

とはいえ、その方面のマニアにとっては、それなりに貴重なものもあると思うので、この場を借りて、数十年ぶりに白日の元にさらされた「お宝」をご紹介していきたいと思います。

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現代コミクス ウルトラマン(1966〜67)
先ほど引用した、現代芸術社発行の月刊誌。ウルトラマンの漫画2本に読み物、ふろくなど。漫画執筆陣は井上英沖、岸本修、加来あきら。このほかにも数冊あるが、保存状態はあまりよくない。

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マルサン スパイダーガン(1967)
アラシ隊員の愛機・スパイダーショットの形をしているが、中にはシャンプーのスプレー缶が入っていて、引き金を引くとシャンプーが出る。幼稚園入園くらいまで、これで頭を洗っていた(と思う)。

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キネマ旬報 世界怪物怪獣大全集(1967)
「ルポルタージュ円谷プロ」には金城哲夫、成田亨ら、「若い」スタッフたちの貴重なスナップが。座談会「怪獣映画は僕らが作る」も資料的価値高し。

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講談社のテレビ絵本 ウルトラセブン かいじゅうずかんのまき(1967)
ネットで調べてびっくり! あまり現存していない絵本らしく、思わぬ高値がついていた。スペル星人のカラー全身写真が載っているのも人気の秘密か。

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怪獣ウルトラ図鑑(1968)
秋田書店刊。2012年に復刻されて話題になった、かつての大ベストセラー。私の手元にあったのは1970年5月の第19版で、スペル星人からガッツ星人に記事が差し替えられる前のもの。

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ウルトラ怪獣大百科(1969)
誤植の多さで定評(?)のあるエルムの図鑑。1969年発行にもかかわらず、収載されているウルトラセブンの怪獣宇宙人は初期のみ。しかしながら「ダーク・ゾーン」のノベライズはシナリオを元にした細密な描写で読みごたえあり。

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仮面ライダー図鑑 たのしい幼稚園新案カード(1971)
ヒトデンジャーがヒトデライラ、カニバブラーがカニバブルなど、企画段階のネーミングで掲載されているものも。またヒドラーゲン、マクロファンデス、タコおとこ、ワニおとこなど、本編には登場しなかったオリジナル怪人が多数収載されているのが興味深い。

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仮面ライダーカード(1972〜73)
おなじみ、カルビーの仮面ライダースナックのおまけ。従兄弟からダブりのカードをもらったもので、レア度はさほど高くない。全35枚。

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帰ってきたウルトラマン ウルトラ大怪獣カレンダー(1972)
スーツアクター・きくち英一氏のサイン入り。月替わり全13枚。表紙しか残っていないのが惜しまれる。
※きくち英一氏演じる「帰ってきたウルトラマン」の撮影スタジオを訪問した時の様子はこちら

というわけで、いろいろご披露してきましたが、押入れの整理は現在も継続中なので、また珍しいものが出てきたら、随時、紹介していきたいと思います。
posted by taku at 21:01| 特撮 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする