2015年08月06日

「ウルトラ兄弟」誕生の夏(1)

暑い。あまりにも暑い。
東京では1週間連続の猛暑日だとか、本当にもう常軌を逸している。

というわけで、ほとんどブログを更新する気力も集中力もないのだが、夏休みでもあることだし、久々に特撮ネタを一発お送りしてみたい。例によって数十年自宅に眠っていた、今や稀少な雑誌のお蔵出しである。

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「小学二年生 夏の増刊」1971年8月発売(小学館)

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「怪獣とさよなら星特集号」
男の子には「怪獣」、女の子には「谷ゆきこ漫画」というキラーコンテンツ2連発!

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巻頭を飾るのは、二子玉川園で行われていた「ウルトラ怪獣大会」の紹介。筆者も夏休みの終わりに観に行きましたよ(その時の写真はこちら

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一方、「怪獣なんて全然興味ないわ」という女の子のために、谷ゆきこ大先生による「さよなら星」のスーパーダイジェスト142ページ!(当時、ひとつ学年が上の学習雑誌で連載中だったものを大幅に圧縮)

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これがまたたいへんな「不幸のズンドコ」ドラマで、

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突然ヒロインの弟が倒れてアメリカで治療を受けることになったり(その後あっけなく死亡)、

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治療費の足しにと老夫婦に家を貸したら、老婆は家の中でトラを飼うマジキチだったり(実際に漫画の中で「おばあさんが気ちがい!?」というセリフがある)、

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マジキチ夫婦の掘った落とし穴に落ちたヒロインが、当時「サインはV」でおなじみの「骨肉種」におかされ、片足を切らなければならないかも知れなくなったり、

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でもって、何か無理やりのハッピーエンド。ちなみに一学年上の学習雑誌での「さよなら星」連載はその後も続くが、最後はヒロイン一家が全員死亡という信じられないバッドエンド。具体的に知りたい方はこちらのブログがとても詳しいのでご参考に)。

ほかにも、あのころ必ずあったクイズコーナーや、

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帰ってきたウルトラマンの「やられ」シーン限定写真特集(どういう趣味だ?)、

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つよい ウルトラマンも、
時には、怪獣に くるしめられる。
これは、その 時の かなしい かお。(何となく相田みつを調)


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などなど盛りだくさんだが、そんな中でもひときわ目を引くのがこちら、

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「決戦★ウルトラ兄弟対11大怪獣」 作・田口成光 え・内山まもる(全73ページ)

当時、月刊誌「小学二年生」では内山まもるによる「帰ってきたウルトラマン」が連載中で、この読みきり長編は、いわば本誌の派生作品なのだが、本誌連載の「帰ってきたウルトラマン」が2011年に単行本化された際、[完全復刻版]と言いつつ、どういうわけかこの作品は収録されなかった。いまだに「幻の大作」と称される由縁である。

帰ってきたウルトラマン[完全復刻版] -
帰ってきたウルトラマン[完全復刻版]

内山まもるといえば、70年代以降のウルトラ漫画の巨匠ともいうべき存在であり、オリジナルストーリーでウルトラ戦士、ウルトラ兄弟たちが活躍する作品を数多く手がけているが、そんな内山がはじめて、「ウルトラ兄弟」という設定の元で兄弟(ゾフィー、ウルトラマン、ウルトラセブン、帰マン)と怪獣軍団とのバトルを描いたのがこの作品である。

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ちなみに「ウルトラ兄弟」という設定そのものは、この増刊号が発売されるひと月前、『小学二年生』1971年8月号の誌面上で公式に発表されたもので、これはすなわち、「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」という物語がすべて同一世界での出来事であることを意味する。それまで、「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」は、「ヒーローはともにM78星雲出身の宇宙人」という設定は共通していたものの、どちらの作品にも登場するキャラクターというのは一切存在せず、その世界観が同一であるかどうかはあいまいなままだった(一方、「ウルトラマン」とその前の「ウルトラQ」については、ラゴンとケムール人が両作品に登場することから、その世界観は共通という認識があった)。それがこの「ウルトラ兄弟」設定によって明確になったわけで、当時の特撮少年たちには、かなり画期的な出来事であったのだ。

前口上はこのくらいにして、それでは肝心の漫画をご紹介…と言いたいところだが、すでにかなり長くなってしまったので、今回はここまで(続きは数日中にアップする予定)。

では、どなた様も熱中症にはくれぐれもお気をつけ下さい。
posted by taku at 14:28| 特撮 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする