2015年08月24日

黒姫 2015年夏

前回はミヤマクワガタの画像しか載せなかったので、今回はそれ以外の黒姫での写真を紹介していきましょう。前にも書いたように、幼少期から毎年のように訪れている場所なので、もはや新鮮なまなざしは失われているのですが…。

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まずは、駅近くの道沿いの風景。ひまわりとコスモス、そして背後にはトウモロコシ畑。

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この土地では、梅雨の花アジサイと、秋の花コスモスが、ごく普通に同居しています。

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国道には、電信柱と道祖神が隣り合わせ(特撮ファンなら、『怪奇大作戦』の「霧の童話」のラストを思い出すかも)。

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築40年弱のわが山荘。ボロが目出つので画像は小さめ。

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夏でも涼風が吹きぬける黒姫高原。

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で、こちらは地元の信濃町が運営する黒姫童話館。1991年開館ですからもう24年が経ちます。何回くらいここに通ったか、もはや思い出せません。

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おや、この見慣れない柵は…?

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レトロなポストまで設置されている…ということは、もしや…

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やっぱり、郵便屋さんとしても認知されているヤギさんでした。

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もろもろの事情で、長年行われてきた牛の放牧が中止になり、そのリリーフ(?)として今年からお目見えしたとのこと。

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黒姫童話館といえば、ミヒャエル・エンデの常設展示などが有名ですが、私にとっては、今年2月に亡くなった松谷みよ子氏の足跡を展示した「松谷みよ子の世界」がとりわけ印象深く、いつもかなり長い時間をこのコーナーで過ごします。
松谷氏は戦後間もない1947年、この黒姫高原の野尻湖畔に坪田譲治を訪ね、自作童話を書いたノートを手渡したことが作家デビューのきっかけとなります。そして松谷氏本人も1980年ごろに黒姫に別荘を建て、この地でも執筆を行うようになるのです。

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私の父・青江舜二郎も同じように黒姫に山荘を持ち、夏はこの土地で仕事をするのが恒例になっていたので、松谷氏には勝手に親近感を抱いておりました。また、青江の教え子である劇作家・若林一郎氏が、一時期松谷氏の童話の脚色を何本も手がけたという「つながり」もあって、今から10年ほど前、東京・練馬の「本と人形の家」をお訪ねした折には、黒姫の生活事情などについて、心安くお話させていただいたこともあります。
「山桑(地名)は普通は『やまくわ』って読むんでしょうけど、あっちの人たちはみんな『やまっか』って呼んでるんで、私もそれにならって『やまっか』って言うの。なんかその方が可愛いでしょう」
「最近は熊を見たっていう知り合い人が何人もいるから、私も、散歩の時には熊よけの鈴をつけるようにしてるの。森の中で熊さんと出会うなんて本当に童話みたいで、ちょっと面白そうな気もするけれど、いきなり襲われるのはねえ」
などと目を細めてながらお話しされる温顔が、今も目に浮かびます。

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実は松谷氏には、ある映画を製作した時に、大変なお力添えをいただいたこともあるのです。非公式な協力ということもあって、その作品名をここで明らかにすることはできないのですが、松谷氏のご協力がなければ、その映画が完成することは不可能であったと今でも思っています。
もはや天上の存在となってしまわれましたが、あらためてあの時のご厚情に感謝し、そしてご冥福を祈るべく、深く頭(こうべ)を垂れました。

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童話館を訪ねた翌日、東京に戻りました。上の写真は2015年8月17日の黒姫駅です。
去る3月にアップした「さらばJR黒姫駅」という文章に、
「今年の夏、黒姫駅に降り立った時に、自分はその変化をどのように感じるのだろう。何がどう変わって、何が変わっていないか―それをきちんと見届けるのも、長く生きて来た人間の務めのような気がしている」
などと書きました。もちろんこれは、黒姫がJR線の駅でなくなることに伴う変化のことを言っているのですが、結論から言うと、「北しなの線」に変わっても駅前の風景はほとんど以前のままでした。まあ、赤字路線の悲しさで、改修整備をする費用などないのでしょうから、当然のことと言えばそれまでですが。

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「3.14開業」ののぼりが北しなの線への移管を物語る程度。

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駅の看板も、2011年に架け替えた時のまま。

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券売機と改札。こちらも大きな変化はない。

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ただ、ホームのプレートだけは、JRとの訣別がはっきり示されていた。

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北しなの線カラーに塗り直されたワンマン運転の車両が入線。

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山並みに幾重にもたれこめる雲をながめつつ、黒姫は遠ざかっていくのでした。
posted by taku at 19:58| 写真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする