2017年08月29日

恐怖山荘(2) 吸血地獄

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アリ騒動もひと段落し、ようやく平穏な高原の夏休みを満喫できると思ったのだが、どうも、大自然の懐(ふところ)は人間様に対しては優しくないことが多いようだ。時を空けず、今度は、さらに実害のある敵との戦いが始まった。

その敵とは、蚊。たかだか蚊とあなどるなかれ、このごろのヤブ蚊は凶暴化しており、衣類の上からでも刺してくるし、一度刺されると直径2センチほども赤く腫れ上がり、その痛み交じりの痒みは4、5日も続くのだ。一度痒みが引いてきた、と喜んでいると、数時間後にまたぶり返す、という繰り返しで、それが就寝中だったりするともはや拷問の域である。

外出の時は極力肌をさらさないようにしたり、歩きながら両腕をぶんぶん振り回して自主防衛をするものの、部屋の中ではどうしようもない。窓を開け放つ時には必ず網戸にしているのだが、それでも奴らは周到に入り込む。そして音もなく、姿も見せぬまま、吸血行為を繰り返すのだ。この恐ろしさ、おぞましさには戦慄するしかない。
「え、蚊って『プーン』ていう音がするし、姿も見えるでしょ?」
と突っ込んだアナタ、アナタは多分お若い(四十代までの)方なのでしょう。人間、半世紀以上生きてくると感覚器官もだいぶ錆びついてきて、蚊の飛ぶ音(モスキートノイズ)などの高周波を聞き分けることが困難になるし、目のピント調節機能も衰えるから、体長6〜7ミリ程度の蚊の姿をしかととらえて、両手でパチン!と打ち据えることなども至難の業となるのだ。

参考までに…(音量注意)

ちなみに私は13,000Hzまでしか聴き取れませんでした。

かくて、室内でこうして文章を打っている間にも、奴らの吸血は静かに続き、私は痛み交じりの痒みに悶え続けるのだ。昼夜を問わず、液体型の電気蚊取りは点けるようにしているのだが、蚊が床に落ちている姿がいまだ確認できていないところを見ると、あまり効き目はないのかも知れない(実際のところ、虫を殺すような有毒物を日常的に焚いているのもあまり気分のいいものではないので、数時間ごとに点けたり消したりを繰り返すものだから、ますます効果も薄まるのだろう)。

こうして、見えない吸血鬼を撃退する術(すべ)もないまま、日々ぶり返す痒みと新たな痒みに耐えつつ、北信濃での休日は過ぎていくのだった。

今回の話は、「人間というのは生まれながら罪深い生き物なので、どんな環境に身を置いても、すべてにおいて満たされた時間を持つことはできないのだ」という教訓のようである。

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posted by taku at 16:09| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする