
先週末、知り合いが運営する保育園の開園記念イベントと内覧会があったので出かけてみた。

好天に恵まれ、多くの親子連れでにぎわっていたが、園庭に出てみると、最新の児童心理学などに基づいて作られたかのような(筆者の想像です)、カラフルでいかした遊具は意外にもガラガラで、

子どもたちの多くは、ただ土を盛り上げて人工芝を敷いただけの小山がお気に入りの様子。何度も何度も、上から転げ落ちて、そしてまた登って、を繰り返しているのだった。
何となく、わかる。
まだ生まれて数年しか経たない彼ら彼女らは、「文明」よりも「自然」に近い存在である。したがって、より原初的なものに親近感を抱くのだ。最初はそう考えたが、しかしそれは、子どもだけでなく、ひょっとすると大人にも当てはまるのではないか。実は私も、知り合いに勧められるまま、その小山に登り、滑り落ちてみたのだが、なかなかにいい気分であった。しかし、すぐそばにある、作りこまれたカラフルな遊具で遊んでみようという気はついに起きなかった。
現代人は、今やその生活の大部分をPCやスマホといったテクノロジーに依存しており、その便利さ、快適さを当然のように享受しているが、その一方、どこかでもっと体感的なもの、原初的なものを求めているのではないのだろうか。などという独言を、デジカメで撮った画像を使い、PCに向かいながら打ち込んでみるのである。
※ちなみに、こういう話の流れになるとよく引き合いに出されるルソーの「自然に帰れ」だが、実は彼の著作にはそういう言葉は書かれていないという。ただ、ルソーの思想を端的に表現すると、「自然に帰れ」ということになるらしい。