課題はこちら。

鎌倉アカデミアの演劇科第一回公演「春の目ざめ」(1948年)のポスター。絵とデザインは、この作品の演出を務めた村山知義(演劇科長)。さすが多芸多才の人である。1枚もののイラストとしても秀逸で、今見ても古さを感じないが、残念なことに4ツ折りの状態で保存されていたため、タテとヨコに線が入り、その周辺が変色している。

どうにかレストアしてみたのがこちら。

ふたたびレストア前(大きな画像でどうぞ)。

レストア後。元はこうであったのではないか、という想像で、少しピンク色を鮮やかにしてみた。
何てことないようだが、実際の作業には3〜4時間を要している(不慣れなせいもあるだろう)。

ちなみにこのレストア画像は、『鎌倉アカデミア 青の時代』のチラシ裏面でも使用している(作業をしたのは今年の2月)。
画像の修復作業というのは、面倒くさいし目も疲れるが、やり終えた時の達成感には独特のものがあると思う。言うまでもないが、こうしたレストアは、漫画やイラストだけでなく、写真画像でも行われる。

上は以前こちらで紹介した、撮影スタジオでの記念写真だが、この時の一連の画像は『特撮秘宝』への掲載が決まったため、オリジナルの白黒ネガから再度スキャンしている。しかし、スキャンしただけでは編集部に渡すことはできない。なぜなら、

スキャンした直後はこんな状態だから。
階調も整っていないし、古いネガのため、ゴミや傷がひどい。明暗やコントラストを調整し、ゴミや傷をひとつずつ消していくわけである。

元のネガがハーフサイズのため、かなり粒子が気になるが、一応レストアしたのがこちら。
実に地味で地道だが、ついつい深みにはまってしまう作業である(ちなみに私が使っているソフトは10年も前のPhotoshopで、最近のものはもっと進化しているのだろう)。