2021年03月09日

ルリ子をめぐる冒険(1)プロローグ

今年(2021年)、漫画連載&アニメ放送終了から50年を迎える「タイガーマスク」(1968年連載開始、1969年放送開始)のヒロインの名前は若月ルリ子

wakatsukiruriko01.jpg 若月ルリ子(声:山口奈々/野村道子)

同じく今年、漫画連載&ドラマ放送開始から50年を迎える「仮面ライダー」(1971年)のヒロインが緑川ルリ子

midorikawaruriko01.jpg 緑川ルリ子(演:真樹千恵子)

また、少しさかのぼるが手塚治虫原作の「バンパイヤ」(1966年漫画連載開始、1968〜69年に水谷豊主演でドラマ化)のヒロインは岩根山ルリ子

iwaneyamaruriko01.jpg 岩根山ルリ子(演:嘉手納清美)

ドラマにおける立ち位置はそれぞれ違うものの、いずれも魅力的な女性たちである。

他にも「氷点」(三浦綾子の小説。1964年連載開始、1966年ドラマ化)の序盤で殺されてしまう医師の娘の名前も辻口ルリ子だったりして、私が幼少期のころの漫画やテレビは、まさに「ルリ子花盛り」という感じだった。

tsujiguchiruriko.jpg 辻口ルリ子(演:植田多華子)

1960〜70年代におけるこうした「ルリ子」現象はいかにして生じたのか。要するにその名前の由来だが、あのころ大変な人気女優であった浅丘ルリ子にあやかったものと考えるのが自然だろう。
その浅丘ルリ子(1940・昭和15年生まれ)は三十路を過ぎた1971年に、ひとつ年下の石坂浩二と結婚。これ以降、漫画やテレビなどでルリ子という名のヒロインはほとんど見られなくなる。やはり既婚者にヒロインのイメージを重ねるのは厳しいということなのだろうか。これも時代の流れ、で終わってしまうような話だが、ここでひとつの疑問が頭をよぎった。

「そもそも浅丘ルリ子の『ルリ子』は、本名なのか?」

いくら何でも、昭和15年生まれでカタカナ表記はないだろう、と思ってネットで調べてみたら、本名は「浅井信子」。どちらかといえば地味な名前である。それが14歳の時に、映画「緑はるかに」のヒロイン「ルリ子」役のオーディションに応募して2000人以上の中から選ばれ、役にちなんだ「浅丘ルリ子」の芸名でデビューすることになるのだ。そうした「歴史的事実」に触れるうち、私は図らずも「ルリ子をめぐる冒険」の渦の中に引き込まれていった。

midori_poster.jpg

この記事では、浅丘ルリ子のデビュー作である「緑はるかに」の映画版(1955年5月公開)と原作(1954年4〜12月連載)におけるルリ子の活躍を振り返りつつ、同じ時期に連載が始まった、梶原一騎・原作、吉田竜夫・画による「少年プロレス王 鉄腕リキヤ」(『冒険王』1955年3月号〜1957年12月号)に登場するヒロイン・ルリ子との関連を探り、さらに同コンビによる漫画「チャンピオン太」(『週刊少年マガジン』1962年1号〜1963年52号)のヒロイン・るり子を経て、「タイガーマスク」のヒロイン・若月ルリ子が誕生するまでの流れを追っていきたいと思う。


posted by taku at 21:31| 漫画・アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする