2021年06月01日

『影たちの祭り』、NIPPON CONNECTIONにて無料配信

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本日、6月1日、NIPPON CONNECTION(ニッポン・コネクション)が開幕しました。NIPPON CONNECTIONはドイツのフランクフルト市で毎年初夏に開催されており、海外で行われる日本の映画祭としては最大規模のものです。2021年は新型コロナの影響もあり、6月1日から6日までオンラインで行われます。

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そのNIPPON CONNECTIONにおいて、劇団かかし座のパフォーマンス「Hand Shadows ANIMARE」(全編英語)と影絵ワークショップ(日独語通訳付き)のライブ配信が行われることになり、そのつながりで、「Hand Shadows ANIMARE」の舞台裏を描いたドキュメンタリー映画である『影たちの祭り』(ドイツ語字幕版)も、合わせて配信されることになりました(6月24日まで)。

詳細はこちらのページをご覧ください。視聴ページはドイツ語表記なのでちょっと面倒くさいですが、メールアドレスとお名前、そしてパスワードを2回入力すれば、全編無料で視聴できます。

『凍える鏡』はこれまでGyao! などで何度か無料配信してきましたが、『影たちの祭り』の配信は完全にこれが初めて。しかも、なかなかお目にかかれないドイツ語字幕つき。見初めは字幕が少し邪魔なようにも思いますが、慣れてくると、いかにも「映画祭での上映」という感じがしてきます。
思い起こせば今から26年前、私の初めての劇場用映画『カナカナ』も、ドイツのベルリン国際映画祭においてドイツ語字幕で上映されました。あのころからドイツは日本映画に対する理解が深い国だと感じていましたが、いつの間にかこんな大規模な日本映画のフェスティバルが開催されるようになっていたのです。ちなみにドイツ語字幕での上映はその時以来なので、何だか初心に返ったような気分です。

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ベルリン国際映画祭1995のパンフレット

『カナカナ』でデビューして、すでに26年というのもわれながら驚きますが、この『影たちの祭り』も、2012年の作品ですから、来年で撮影してから10年を数えることになります。月日の経つのは本当に早いものです。しかし嬉しいことに、移り変わりが激しい昨今の情勢にも関わらず、かかし座のメンバーは相変わらず倦まずたゆまず、われわれを楽しい気分にさせてくれるパフォーマンスを送り続けてくれています。「Hand Shadows ANIMARE」を2012年に演じた時のメンバー4人(飯田周一、石井世紀、菊本香代、櫻本なつみ)は全員、今もかかし座に在籍しており、6/5のライブ配信も、最初はこのメンバーで、と、リーダーの飯田さんは考えていたようなのですが、他の公演との兼ね合いで、今回は石井さんの代わりに、松本侑子さんが入ることになったそうです。

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そうそう、現在かかし座では、「影絵女子」という4人の女性ユニット(かよっぺ=菊本香代、さく=櫻本なつみ、ゆーゆ=松本侑子、ちっぴ=梅原千尋)を結成して、かなり意欲的に活動しているのですが、そのうち菊本さんと櫻本さんは、「Hand Shadows ANIMARE」の2012年当時のメンバーでもあるので、『影たちの祭り』には9年前の、今より少しだけ若い「影絵女子」おふたりの姿が記録されています。

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でも、これがびっくりするくらい変わっていない……。いやもちろん、それだけの時間が経っているので、パフォーマンスの方は目覚しい上達を遂げているのですが、屈託のない笑顔と初々しさはまったく失われていません。これは、長年劇団を応援している者としては大変嬉しく感じるところです。

菊本さんと櫻本さんといえば、今でも忘れられないエピソードがあります。『影たちの祭り』は、基本的に影絵のパフォーマンスを記録したドキュメンタリーなので、場面のほとんどは稽古場、しかも大変暗いのです。スクリーンに映った影はとても美しいのですが、対照的に、バックステージは常に光が足りない状態で、「このままだと、いささか彩りに欠けた映画になってしまうのでは?」と撮影中感じるようになりました。

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そんな時、櫻本さんが「動物のリアルな動きを観察するために、ときどき動物園に行きます」と話していたのを聞いて、「よし、それなら」と、菊本さんと櫻本さんが野毛山動物園を訪ね、キリンや亀、白鳥、ペンギンたちの前で、その姿を作ってみる、いわば動物たちとコラボするシーンを入れたのです。結果としてこれは大変いいアクセントになりました。おふたりの表情も生き生きしていて、今でも大好きな場面です。

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なお、映画の中では、これは「休日のひとコマ」ということになっていますが、実際にはこの撮影が正午すぎに終わると、おふたりはすぐ、待機していたほかの劇団員と合流し、地方公演に出発したのでした。今も昔も、かかし座メンバーは大忙しです。

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もちろんそれ以外にも、東京公演初日の前日に新しい演目を急遽作りあげるプロセスや、後半、少しだけ明らかになる個々のメンバーのプライベートライフなど、90分弱という尺の割には、いろいろと見所の多い作品だと自負しています。影絵の魅力に取り付かれ、影絵とともに生きる彼ら彼女たちのひたむきな姿と、その比類なき作品を、是非この機会に、映画と、そしてライブ配信の双方で、ご高覧いただければと思います。

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映画とライブ配信の両方に出演のお三方(左から 櫻本なつみ、菊本香代、飯田周一)。どうぞお楽しみに!

◇ライブ配信パフォーマンス『 Hand Shadows ANIMARE 』
6月5日(土)21:00〜22:15(JST 日本時間) ※配信終了
◇オンライン・ハンドシャドウ・ワークショップ
6月5日(土)23:00〜24:00(JST 日本時間) ※配信終了
◇ドキュメンタリー映画『影たちの祭り』(ドイツ語字幕版)(無料)
6月1日(火)〜6月24日(木) ※配信終了
posted by taku at 19:09| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする