本日、6月14日は、俳優・加藤茂雄さんのご命日です。亡くなられて、丸1年が過ぎました。月日の経つのは本当に早いものです。
一周忌に際し、加藤さんが93歳で初主演した映画『浜の記憶』を、東宝撮影所がある「ゆかりの地」世田谷で上映するイベントを企画していたのですが、時節柄実現に至らず、その代案として、同作品を明日(15日)から、期間限定で無料配信することにしました。2019年7月の公開初日の舞台挨拶の模様も合わせて配信します。
【期間限定配信】映画『浜の記憶』
【期間限定配信】『浜の記憶』初日舞台挨拶
視聴の詳細についてはこちらのページをご覧ください。
コロナ禍からすでに1年以上が過ぎ、猫も杓子もオンラインという世の中ですが、自分の作品については、あまりそういう発想はありませんでした。しかし、今月初めから『影たちの祭り』がNIPPON CONNECTION(ニッポン・コネクション)で配信される運びとなり、そうか、そういう手もあったか、と、今さらのように気がついた次第です(ある物事が行われているのを知識としては知っていても、それを自分のこととして考えられないというケースは案外多いものです)。
『浜の記憶』はすでに出来上がっている作品なので、データを配信用に軽くするだけですみましたが、舞台挨拶の記録映像の編集は思った以上に時間と手間がかかりました。初日の舞台挨拶は、加藤さんのトークが弾みすぎて30分以上に及んだのですが、ノーカットではいくらなんでも長すぎます。しかし、加藤さんの話はよどみなく続くので、なかなか切りどころが見つかりません。おかげで、何度も何度もトークを聞き直すことになり、久しぶりに加藤さんのあの懐かしい語りに長時間耳を預けることになりました。また、撮影した動画は劇場の後方に設置した固定カメラのものなので、映像にまったく変化がありません。そこで、当日、助監督の内田さんと特撮ライターの友井さんが撮影してくれたスチールを適宜、インサートすることにしました。トークの動画にスチールを入れ込むという編集も、私はこれが初めての経験で、なかなか面白いものでしたが、写真の点数がかなり多く、そのセレクトにも思った以上の時間を要しました。当然、それらの写真はほぼすべて加藤さんがメインで映っているので、この数日間は、実によく加藤さんのお声を拝聴し、同時に、そのお顔をじっくりと拝見しました。これもまた、故人をしのぶ営みのひとつなのでしょう。
※配信は8月31日で終了しました。