世の中がコロナ禍に飲み込まれて丸3年。
2020年、21年、22年と、人と会う時には、ほぼ常にマスクの着用を迫られ、会食も、遠出をするにも、何かしら後ろめたさが伴う、実に息苦しい3年間であった。またこの3年の間には、数々の新たな出会いの場が奪われ、また、会えないまま永久の別れを迎えることになった旧知の先達も少なからずいた。さらに、さまざまな店舗や劇場、団体などが、外出自粛のあおりを受け、無残にその姿を消していった。これらのひとつひとつを思い返すと、怒りと悔しさで、体が張り裂ける思いである。
明日(3/13)から、ついにコロナ禍のシンボルというべきマスクの着用が個人の判断となる。
やっとここまで来たか、と思う。果たして社会生活がどう変わるのか、興味の尽きないところである。
もっとも、日本人の慎重かつ横並び的体質を考慮すれば、明日からいきなりノーマスクの人が町に溢れるといった、急激な変化は起きないような気がする。目下、花粉のシーズン真っ盛りでもあるし……。しかし、感染者がふたたび急増しなければ、今年の夏ごろまでには、人々の素顔を見る機会は、少しずつ増えてくるように思われる。
とにかく、明日はひとつの節目となるだろう。この3年間で失われたものの多さを顧みる時、いささかの落涙を禁じ得ない。