前回このブログで告知した加藤茂雄さん出演のピアノ演奏付き朗読劇「輝いて! プランクトン」が、去る11月21日(土)、豊島区勤労福祉会館で上演されました。以下、簡単にその模様をレポートします。
左から作者の石川千穗子さん、松本謙二さん、加藤茂雄さん、寺田有紀美さん。
「輝いて! プランクトン」の主人公は、海を漂う生まれたてのエビの「幼生」(「妖精」ではありません。でも、耳で聞くとどうしても「妖精」と認識してしまいます。ここらへんが朗読劇の難しいところ)。この小さなエビがカツオに襲われたところを、海の長老のような「物知りイカ」に助けられ、そしてイカから海の掟(おきて)をいろいろ学んでいきます。
エビはイカを気に入り、「これからもずっと僕と一緒にいてくれる?」と聞き、イカも「いいともさ」と応じますが、ラストは単純なハッピーエンドではなく、「食物連鎖」や、もっと根源的な「生命そのもの」について考えさせられる結末になっています。
加藤さんは海のことなら何でも知っている「物知りイカ」を熱演。鎌倉の海で70年近く漁師を営んできた「浜役者」にはうってつけの役だったと思います。エビ役の寺田有紀美さんは以前にも加藤さんと舞台で共演経験のある女優さん。また、語り手の松本謙二さんは少年時代に子役をやっており、あのエノケンと同じ映画に出たこともあるそうです。
何と会場には、鎌倉アカデミア演劇科二期生の若林一郎さんの姿も。若林さんは私のブログでこの催しを知ったとか。90歳の先輩と84歳の後輩の嬉しい再会です。
勤労福祉会館近くのお店で軽く打ち上げ。終始大変ご機嫌な加藤さんでした。やはり長生きの秘訣は人生を楽しむことにあるような気がします。ついついネガティブ思考に陥りがちな私などは、大いにお手本にしたいところです。
ここからは完全に余談ですが、題名が「プランクトン」となっているのに、お話しに登場するのはエビの幼生。「あれ、プランクトンってミジンコとかアメーバみたいな微生物のことじゃないの?」と少し不思議に思ったのですが、帰宅してから調べてみると、「プランクトン」とは「浮遊生物」のことを指し、「水中や水面を漂って生活する生物の総称」とのこと。したがって、エビの幼生も、立派に「プランクトン」の一員というわけです。ひとつ勉強になりました。
さて、朗読の模様を是非動画でもご覧いただきたいと思うのですが、この日のビデオ収録は当方の不手際であまり上首尾とはいかなかったため、先月7日、池袋のライブハウス「鈴ん小屋」で行われたものをお目にかけたいと思います。何卒ご了承下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=8ivAphrf_-o